論文⑩ 言語に基づく思考傾向

数年前に教育界に可視化ブームが起こった時にGOがもっと取沙汰されるかな・・・と思ったら、意外とスルーされました。その中でGOに言及されていたのが、こちらの論文

この中でとっても面白いな~と思ったがNibett(2003)の実験で、「牛からイメージするものとして、草とニワトリどちらを選びますか?」という質問。

皆さんは、いががですか?

この調査では西洋人は同じ家畜というカテゴリーでとらえるので、ニワトリを選び、逆に中国人は関係性を重視するため、牧草を選ぶそうです。

ちなみに、日本では中国同様「草」を選ぶけど、その理由は、牛が牧草に放牧されている状況が先行するとのこと。

今日、自分のクラスでも実験したらみんな「草」でした。
うちの子たちは、最近やたらVisulizationばっかりさせられてるので、「絵が浮かんだ」「ニワトリがそばにいたら、牛が食べるからニワトリ可哀想・・・」(草食やねん!)って、イメージ先行でした。

ということは、mental imageの手法が一番得意なのは、実は我らが日本人なのではないかと思うのです。

こういう文化的な思考傾向の違いに気付かせる長文読解の授業がやりたい!!

論文⑧➈ 特支にもスポットを当てた論文

今日、読んだ論文はこちら~
著者がstructure指導で浮かんだ4つの疑問を実験していく形式。

疑問① non-strategistsがstrategicになるように指導できるか。

これは、できな、あかんやろ。ということで読み進めていくと、やっぱり9歳の子たちがしっかりstrategicになっていき、特にmain ideaのreconstruct率が高くなったとのこと。

しっかり使いこなせる人をapparent users。ふーん。

疑問② strategyを使っている人達は自然に使いこなしているのか。

自分で今何をしているのかを意識しているほうが、connected mind planがもっと効果的になる。
関係ないけどshe/heはS/heでいいんだ。ふーん。

現状にどのstrategyを当てはめていくかを意識させることは、自信・満足・学ぶ楽しさにつながる。

最近、研究大会でたくさんの大学生を見るけど、おしゃべりしてみると、最近の卒論の人気テーマの一つが英語学習者のモチベーションに関するものだと聞いたのを思い出しました。

疑問③ 何歳からstrategyを習得できるか。

ちなみにyoung adults(18-32years)の年齢幅、そっちにびっくり。
6-7歳でstructureを使い始める。(主にwriting)
preschoolからyear7の間に習得するという論文もある。

readersとしても10歳の生徒が活用できるようになる。
なので、GOの読解本が特にGrade3に多いのかな?

実際の小学生のwriting例が載っているけど、オーストラリアの子たちもかなり字が汚いなぁ・・・・笑
ALTがよく、日本人の子たちの字のきれいさに感するけど、分かる気がする。

疑問④ 知能とlearning potentialの関連

この論文で一番面白かったのは、特別支援の子供たち、またはmild intellectual impairment (IQ 70)を対象した観察も行われていること。
買い物リスト等、日々の生活の中でstructureを使うことで自信とwillingness(意欲)が育った。
家庭での会話が増えた。

ということは、日本の下位の生徒にも役に立つだろう。

resercherに対してteacher-pratitionerでありたいと思わせてくれた。

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論文⑦ The knowledge Frame work

knowledhe frame.jpg今日ご紹介したい論文はこちら
Mohanのフレームワークに関する論文は多々ありますが、日本人の学生向けに表をわかりやすく作り直して下さっているのが、とてもありがたい論文です。中学生には、まだ難しいかもしれませんが、GOsの種類を提示するときなどに、活躍しそうです。
(もちろん利用時には、先生の許諾が必要でしょう。)

この実験の興味深いところは、GO作成をグループでさせていて、各グループがどうしてそのGOを作ったのかをプレゼンし、その考え方の違いを生徒がとても楽しんでいる点だと思いました。また、GOには様々な解釈があるんだな、と感じました。




でも、全ての英文がこの6構造に当てはまるとは言えないところに難しさがあるなぁ・・・。

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論文⑥ 現場のことを考えた論文

リスニングの論文を読んでいます。今日よんだのはこちら
大体、どの日本語のListening読んでも、門田先生の名前が出てくるのが、門田先生の影響力の強さを感じますね。
私も例にもれず、門田先生のご本は全て持っています。新版が出ると、買っちゃいます笑
英語教育者の必須書とも言えると思います。

大学の先生書かれた論文の多くは日英関わらず、Control Group(統制群)は大学生のことが多い中、今回の論文は高校生を実験対象とし、また子供たちの感想も全て掲載されているので、とっても「わかる!!うちの子たちも同じとこで、ぶつくさ言ってるわー」って超共感できる内容だったので、ご紹介。

聴解のプロセスも門田先生のを、よりくだけた表現でパラフレーズしてくださっているのもありがたい。

聴覚刺激→ 音声分析→ 文の意味理解→ 情報整理→ 短期記憶

音声分析では、すでにリエゾン、リダクションのショートフレーズPPTの作成に向け、ALTが録音を開始してくれています。
意味理解では、単語のICT Softを導入しているのでOK。 また、ユメタンの方でも、アルクが絶賛appを開発中なので、再来年はこのappも活用したい。

情報整理、長期記憶への保管という点では、リスニングよりまず、長文読解の力をつけないことには、伸びないという点も、とても同感だし、今の授業スタイルの四技能バランスで読解に重点を置こうとしていることは、OKなのだと感じました。

【特に印象に残った点】

・ディクテーション活動において、答え合わせをした後に、聞き取れなかった部分の音変化の状況を簡単に説明し、何度もその箇所を音読させること自分が声に出してその連続音を発する練習をしていなければ、心的辞書内に照合できるだけの正確な音声情報を蓄積できないことになる

それができなければ、音声を聞いた際、一旦音韻性短期ストアに入った情報は内語反復できないことになり、脳内に留まることなく消えていくことになる。

・音声分析の段階で困難を感じていた下位グループの学生の音声分析の自動化に音読が有効に働き、リスニングの能力を向上させたと考えられる。

・リスニングの際に重要な役割を果たす心的辞書内の蓄積情報は、正しい音声を伴って蓄積させていないと、耳から入って来る
音声情報と照合できない。

・英文速読をさせた実験群は、英文を読む速さが速くなるだけでなく、副次的に英語のリスニング力が向上したという研究結果を報告

・リスニングでは、知らない単語があっても立ち止まることなく、聞き取れた単語から、背景知識を利用して推測しながら内容を理解していく能力が必要となってくる

・テキストがダイアログの場合は、必ず、最後のセリフの続きのセリフを考えさせる習慣をつける

・日本語に置き換えることはできなくても、各単語の中核の意味のイメージを的確に捉える
・文や文章を短時間で読ませ、その文や文章からどのようなイメージを作り上げたかを問うために選択肢をイラストや写真、映像などで準備し、選ばせる活動などが効果的。→ 読み取る英語表現と意味をイメージで直接結びつけていく指導

論文③ 聞くときの不安材料

今日読んだのはこちら

【印象に残ったこと】
・リスニングの不安要因の一つは「分節を認識できない」処理能力
・神経学的処理・・・ヒアリングからリスニング
・言語〃   ・・・音声の分節化、単語認識

分節化を困難にする要因→同化・脱落・弱化
ミニマルペアは効果低い

・意味〃   ・・・スキーマ使って推測
・語用論〃  ・・・聞き手の役割を意識して相手の意図を組む

・音素の識別、音変化の認知、音声による単語認知、文法能力、ワーキングメモリ、背景知識、推測、予測が特に日本人の習熟度に強い関連  
しかし主に上位者。
下位層では、ワーキングメモリの容量差

・一番強い不安材料はなんと、学習環境!!
・教室という学習環境でリスニング不安を軽減する場合、語彙や音変化といった小さい単位を聞き取る練習が大切!!
容易に授業に取り入れやすいので、不安軽減のために、訓練多くして!
・「知っている語を認識できない」
・英語力の高い人ほど、自分のリスニング力を過小評価傾向
・授業内で学習者にとって適切なレベルの教材を使用すべし。不安払拭につながる。

聴解の不安因子なんて、意識したことがなかったので開眼させられた論文。
今やっている音声認識訓練の方向性は間違っていないと確信できた!!